二ヶ用水隧道跡
 能美市がまだ合併していなかった頃、鶴来町にある天狗橋の近くで怪しげな穴を見つけた。
 入り口はこんな感じ。これは2004年の画像である。 これは突撃するしかないっしょ、って訳で内部調査と報告をば。
 2005年くらいにこのように柵が張られて、容易に侵入できなくなった。 立ち入り禁止等の警告は掲示されていないものの、教育委員会からの無言の圧力? くれぐれも侵入は自己責任で。本レポートの画像は柵ができる前、2004年のものです。
 ところで、なぜこんなマニアックな案件について正式名称がわかっているかと言えば、 それは侵入口付近に立派な案内看板が立っているから。 ふりがな付きで非常にわかりやすい。地図が消えかかっているのが残念。 以下に内容の全文を掲載します。

 ニヶ用水隧道(にかようすいずいどう)
天狗壁には、弘化4年(1847)、越中の国(富山県)熊林村の椎名道三が中心となって掘ったニヶ用水の導水用のトンネルがあります。これは、天保・天明のききんによって、加賀藩の財政が苦しくなり、藩内各地の水利事業をよくするためにつくられたものです。
ニヶ用水は、岩本・灯台笹の二か村の用水で、このトンネル(約300メートル)にはいくつかの窓があけられています。これは、明かりを取り入れるとともに、手取川の洪水のときに、流れ込む濁流を、一定の水量を保ちながら、余分の水をこの窓から放出する役目を持っていたと伝えられています。

辰口町教育委員会
辰口町文化財保護審議会
 内部には土が噴出したような部分もあり。
 案内板に書かれていた窓。所々から差し込む光がきれいで印象的。
 全体的に底は湿った土で安定しているが、部分的に水没していた。 水深は5cm程度で、長靴などは必要なかった。
 そして、入り口から50mほどで崩れ落ちて途絶えている。 先にもあるようだが、一度下に下りて回り込まなければならない。 私にはそんな根性はありません。
 当時、一緒に行動したOIL氏。 久々の日常離れした光景にはしゃいでいた。
 この用水隧道の上には、廃線になった旧能美線の電鉄隧道がある。 現在はコンクリートで閉鎖されているものの、場所は確認できる。 右下に、二ヶ用水隧道の排水窓が写っている。 反対側は私有地ムードがむんむんする土地の向こうだったので遠慮した。
 はるか昔に地域に水をもたらした二ヶ用水隧道は、 現在も能美市教育委員会によって保存され、一部現存する。
地元ではその怪しさから、心霊スポットとして親しまれているらしい。

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