梨木隧道跡
 石川県は能登半島の中ほどに門前町と穴水町がある.
この門前と穴水の境目,県道7号線沿いに画像のような旧道部分がある.
 手前の段差を超えると土が盛られて,旧道が終わっている.
この感じ,怪しくないですか?
 廃隧道がこの奥に隠れている気がしてならない.
でも完全に閉塞されている気もする.
でも,雰囲気的に土手が隧道よりも手前にありすぎる気がする.
ひょっとしたらまだ残っているのか!?
とりあえずこの土手を登ってみることにした.
 地蔵か何か安置されていたと思われる切込み.
移動されたらしく,今は何もなく,木々が生えていた.
 分け入っても分け入っても深い藪.
夏にきたときには,激藪に敗退して冬のリベンジを誓った.
だいぶ入りやすいけど,枯れた藪も強敵だった.
 土手に上り,若い木々が茂る平地を10m程行くと,怪しいコンクリート発見.
これは,もしや坑門?それより先は斜面になっており,木々も太く,ここから隧道のようだ.
今,梨木隧道の坑門はひざ下30cmに存在する.
完全閉塞でしたorz
 でもでも,大発見!
坑門の向こう側に怪しい穴発見!
滴り落ちる水が流れ込んでいる.
 手抜き閉塞工事だったのか,坑口から少しところで崩落,内部があらわに.
覗き込んだものの,空気の流れはない.
しかも半端ない土砂が詰められていて部分的にできた空間だという事がわかった.
潜入断念.
 電線は隧道跡の上を通り,現役.
下の方の電線は手に届きそうな高さ.
 この眺めは隧道現役時には坑門に立たなければ得られなかったろう…
今は眠る梨木隧道の視点.
 山間地のコンクリート処理がすぐそこに迫る.
普段あまり近くで見ないので違和感を感じる.
 そして反対側.旧道部分へのアプローチ前にも土手がある.
高さは1m程度.ススキが凄くててこずったが,さっきの土手に比べれば楽.
 旧道部分は片側車線分くらい葛が進出してきている. 電柱の柱上変圧器が「ウーーーーン」といかにも高電圧っぽい音を立てているのが不気味.
 電柱を越えると廃道感が激増.電柱までは電力系の管理が入っている様子. もはやアスファルトは見えない.
 TMNGがガンガン行くので着いて行くだけ.楽だった. 仕事の鬱憤を藪にぶつけ,暴れてた.
 左側のコンクリート面に沿って進んだ. ここは木や藪が少なく進みやすかった.穴水側斜面の方が木が生長している.
 そして藪まみれの坑門跡.扁額はどちら側にも露出していない.
 向かって左の坑門上部の様子.坑門上部に排水溝が切ってある. 普通は見えないところが見れてうれしいのだが,なんか虚しい.
 穴水側もすさまじい藪.もはや山の一部になりかけている.
ちなみにこちら側には崩落はなかった.
 秋口は紅葉がきれいな山中に,梨の木隧道は眠る.
山形の廃道さん公開の隧道リストによれば,
竣工昭和29年,延長171m,幅員5.0m,高さ4.5m.
昭和29年というと,隧道的にはそんなに古くない.
 現道は山を切り開いて,快適にすっ飛ばせる. この山を切り開いた土砂が豊富にあったことが, 執拗なまでの梨木隧道の閉塞に繋がったのではなかろうか.
 ちなみにこの隧道,すぐとなりは火葬場になってます. 現役時はその手の話で有名だったとか…

リストへ戻る   TOPへ
[PR]動画