旧七海第二隧道
 穴水町にある七海第二隧道には旧隧道がある.場所は一応伏せておく.
なんてったって,崩れかけでデンジャラーなので,侵入には細心の注意が必要だ.
興奮の旧隧道はこのやぶの向こうにある.
 見事な煉瓦造りの坑門,国道249号線の名に恥じない造りである.
But,しかしながら路面は未舗装.しかも沼化していて歩くのが大変だった.
立派な造りではあるものの,一応国道トンネルだし狭過ぎかも.
いや狭い.昭和42年,新七海第二隧道が築かれるまでは現役だったって事を考えると,超狭い.
 坑門上部,チョロ毛のようにぶら下がる木の根がプリティー.
坑口周りを縁取る石はガタガタである.
苔むして,シダ系植物が生えまくってなんともいえない廃物風情が漂っている.
 右上の様子,レンガの隙間からは小さい木も生えてきている.
恐るべき40年放置,自然の力にかなり押されている.
穴水町は道路遺産としてこの隧道を保護したほうが良いんじゃないの!!
 坑門上部,レンガがごっそり崩れ落ちている.下を通るときちょっと怖い.
直撃ヒットした場合多分死ぬ.こういう時,ヘルメット持って来て置けばイイのだけど, 今回は自動車できた上に,こんな熱い物件との対面を予想していなかった.
 今にも落ちてきそうなこの鉄板状のものは?ただの廃隧道フリークの自分にはわからない. どなたか情報下さい.
 坑内は石とレンガのハイブリット構造. 下から1.5mほどは石積みで,アーチ部はレンガになっている. レンガ部はあちこち剥落しているが,石の部分は原型をとどめていた. 
 地面には轍がくっきり残っている.少々漏水はあるが,坑門前の沼ほど酷くない. スニーカーで行ける程度の水溜りが所々にある.
 すれ違いできないよ!一応もと国道.
 廃隧道エキスパート,「山さ行がねが」のヨッキれん氏が廃隧道では良く肉球の跡を見ると書いていたのだけど, ここにもあった.水滴が肉球に見えるのでは?とも書かれていたが,これは明らかに肉球痕! ネコなのかタヌキなのかキツネなのだろうか…
 隧道中央部には待避所がある.こちらはすべて石積みで,全体的にアーチになっていた.
 待避所との境目.LEDライトのピンポイント光の為わかりにくいが,こんな感じになっている. 偶然カマドウマ発見.テンションが下がる.
 しっかーし,待避ゾーンを抜けると手掘り&素掘り区間出現.
ORRのへなりさん的に言うならばテボッチャーですよ.いやがおうにもテンションが上がる.
スゲぇの一言.圧倒される.
 手掘り区間は10mほど続く.ストロボをたいて全体を撮影したら,かなり白い. ちょっと不安になった.地面まで白い.しかもかなりのかび臭さ. この中に長時間いたら肺がやられるかも.
 っていうか白いのはカビなんだろうか…
 遠目に見ればしっかりして見える手掘り区間だが,微妙に崩れている.
白化した石はまるで干し柿,およびこふき芋(干し芋)みたい.
 反対側坑口付近.土砂が浸入している.一本大きめな木がもたれ掛かってるのが気になる.
こちら側の方が損傷が激しい.
 坑口左側の壁.反対側にあった縁取りの石がない.崩れたのか?
結構荒れている.
 坑門に「メーン!!」とばかりに一発入れている倒木.
こちら側はかなりの荒れ方.
 坑門左上の様子.崩れてますね. 
 こちら側坑口のは,反対側坑口に縁取るようにしてあった石はない. そのせいで,3段に巻かれたレンガが見える.
 門柱は残っているが,苔やシダ系植物にかなり侵食されている.
 40年前,ここに自動車が行き交っていたと考えると感慨深い.
現代の感覚でいくと信じられない,時代を超えた想像が膨らむ.
こうして,また一歩廃隧道マニアになって行くのだった.
 隧道抜ければ藪の中.分け入っても分け入っても藪.
しかも旧道はいたるところが沼化.
うかつに踏むとずぶずぶずぶっと足をとられる.
約55kgの自分はセーフでも,約70kgのTMNGが踏むと沈むらしい. 彼は何度も悲鳴をあげていた.
 旧道区間を振り返ったところ. 電線のメンテナンスがあるんだろうか,電柱のあたりからは結構楽であった. というか,自動車の流れは昭和40年頃新道へ移ったのだろうけど, 電気の流れはそのまんまなんですな.旧隧道の上を越えて山の向こうへ送電していた.
 遠景をば.左のが現隧道.反対側だと比較的簡単に接近可能.長靴必須. 左に見える街灯へは旧道をまたいで送電されている. 電気だけは今も旧道区間を通っている.
 快適すぎて見逃していたが,七海第二隧道には旧隧道が存在した!
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