無患子(むくろじ)隧道
 金沢市からだと,白山市は北陸先端大を経由して県道55号線沿いに小松市方向へ. このトンネルは小松市に入る寸前にある.真新しい無患子トンネルの横にひっそりと残されているのだ.
 小松側坑門にはギリギリまで自動車で乗り付けることができる.方向転換する個所もあり,苦労はない.
 高さ3.0m,幅2.3mの通行規制のあった旧トンネルは,鉄格子で閉じられている. コンクリートで封印されがちな石川県の廃隧道には珍しい処置で,感動した. やっぱりこうでないと.長年地域の交通を支えたトンネルですもの.
 ここからは新無患子トンネルの坑門が見える.
 どうですか,この坑門.石組みっぽく作られたちょっと手の込んだモノ. 扁額までしっかりと残されています.後年つけられたんじゃないかと思うパイプや制御盤までイイ感じ.
 扁額には,昭和8年8月竣工の文字が!古!字が右から書いてある. 見事な扁額だ.この扁額も隧道保存に一役買っているかもしれない.
 配電盤.中はきれいなままで残っている.
 中の様子を見ると,照明はナトリウム灯などではなく蛍光灯だったようである. 現役時代に通りたかったな…
 中はコンクリートになっていた.ありこちにゴムシート状の補強剤が巻かれていて, 結構弱っている感じだ.狭さとあいまって,確かに新トンネル掘削の必要があった様子だ.
 側面に刺さっているパイプからは水が噴出す.坑内には水の音が響いていた.
 このシートみたいな奴,効果はどうなんだろう?よわっちいし. 導水かコンクリートの剥落防止のためだろうか.
 反対側坑門.草木に囲まれ,旧道の奥に静かに佇んでいる.
 白山市側坑門もなかなかの風情で,コンクリートで作り直した感は強いものの,イイ感じだ. 高さ制限バー?も残っている.実は旧道が下までつながっているかはわからない. ヒントは柵左下の隙間,標準体型なら大丈夫.
 こちら側の扁額も健在.今度は左から書かれている.坑門の修復の際に新調したんだろうか…
 おまけとして新無患子トンネルの画像を.シンプルでかっこいいトンネルだと思う. 旧隧道が廃れるのは寂しいが,現実は現実.  しかしながら,鉄柵などで立ち入り制限したとしても,現役の姿がわかるようにしていただいているのは とても嬉しかった.やっぱり湧水もあり相当危険なんでしょう.
誰か知らないけど埋めないでくれてありがとう. 廃隧道ながら当時の雰囲気が伺える無患子隧道は白山市県道55号線上に現存する.
 余談ですけど,この先小松方向に向かうと,日本最大の洞窟型彫刻美術館?「はにべ岩窟院」があります. この前院主がセクハラで逮捕されてましたが,洞窟好きにはたまらないと思いますよ.
入場料800円と高めで,一回行ったらもういいかなーって感じですけどね. 後半の2代目の作品,発泡スチロールですけどね.垂れた水滴で穴あいてますけどね. 胡散臭さを味と考えられる人にはお勧めです.

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